2025/06/13 23:23
―小多福堂の石鹸と、犬の皮膚のはなし。
「犬の肌に合わせて、pHは調整していますか?」
小多福堂によせられた、あるご質問。
とても、とても、大切な問いだと思いました。
今日は少しだけ、「犬の皮膚と石鹸のこと」について、お話させてください。
犬の皮膚は、とても薄くてデリケート。
人の表皮の厚さが約100〜200μmあるのに対して、犬の皮膚は、わずか25〜38μmほどしかありません。
有棘層も1〜2層しかなく、外からの刺激を受けやすい構造になっています。
また、皮膚のpH(ピーエイチ、ペーハー)は、
人は弱酸性(pH5.5)、犬は弱アルカリ性(pH7.5)が理想とされています。
つまり、人と同じケアをしていると、犬には刺激が強すぎることがあるのです。
ご質問くださった方は、そのことをよくご存知で、質問してくださいました。
小多福堂の石鹸はpH7〜8になるまで熟成させてからお届けしています。
これは、犬の皮膚にとってよりやさしい状態で使っていただくための、大切な工程です。
石鹸は自然な反応でできるため、本来はpH9前後の弱アルカリ性。
でも小多福堂では、“犬の皮膚にやさしい状態になるまでじっくり待つ”という
とてもアナログで手間のかかる方法を採っています。(ですので、販売開始日が予定より遅れることも)
加えて、食用グレードの植物オイルや和漢素材を使い、防腐剤や香料、合成界面活性剤など刺激になるものは一切使っていません。
pHだけを「犬の肌に合わせる」ように加工するのではなく、素材・設計・熟成のすべてを整えることで、自然なやさしさに近づける。
それが、小多福堂の石鹸のかたちです。
洗ったあとは、やさしくタオルドライでOK
小多福堂の石鹸は、泡立ててから手でやさしくなでるように洗っていただくのが基本です。
そのあと、ぬるま湯でしっかり流して、ふんわりタオルで包んで拭いてあげてください。
それだけで、余分なものを落としつつ、うるおいはちゃんと守ることができます。
もしシャンプーが苦手な子や体力の落ちた子には、
石鹸をお湯に溶かしてタオルで拭いてあげる「拭き湯」方式もおすすめしています。
そして、
📖なぜ犬の皮膚が弱アルカリ性なのかについてもご紹介しています。
犬の皮膚は“なぜ”弱アルカリ性?人間とは違う4つの理由
おまけ:ちょっと専門的なデータも…