2025/08/29 10:00

みなさんは、保護犬を守るのにどんなことにお金がかかると思いますか?

「ごはんや医療費くらいかな」と思われる方も多いかもしれません。


でも実際には、犬が安心して生きていくための「生活そのもの」に、たくさんの費用がかかります。

今日は、1頭あたりに必要になるお金を、少し具体的にご紹介します。


🥣 食費(月6,000〜8,000円)

犬が毎日元気に過ごすための基本がごはんです。

〇 中型犬1頭あたり、フード代だけで月に 5,000〜7,000円。

おやつやサプリメントを加えると、6,000〜8,000円ほどになります。

「ごはんくらい」と思っても、頭数が増えれば毎月何十万円にもなる大きな支えです。

それに、質の高いプレミアムフードや、療法食が必要な場合は、さらに高額になる可能性があります。

また、おやつやサプリメント代は犬の健康状態や種類によって幅が大きいため、記載の金額は一般的な目安です。


💊 医療費(年間3〜5万円+手術費用)

犬たちの健康を守るには、定期的な医療が欠かせません。

〇 混合ワクチン(年1回):5,000〜7,000円

〇 狂犬病ワクチン(年1回):約3,000円

〇 フィラリア予防薬(月1回):1,000〜2,000円(年間12,000〜24,000円)

〇 ノミ・ダニ予防薬(月1回):1,000〜2,000円(年間12,000〜24,000円)
 ※フィラリア・ノミダニ予防薬は、体重によって価格が大きく変動します。

〇 血液検査(年1〜2回):5,000〜10,000円

これに加えて、避妊・去勢手術は 1頭あたり2〜4万円。

病気やけがをすれば、さらに数万円〜十数万円が必要になります。

👉 健康な子でも、年間で 3〜5万円+手術費用 がかかる計算です。


✂️ 美容費((年間数千円〜4万円)※犬種による)

皮膚や被毛を清潔に保つことは、健康にも直結します。

〇 シャンプー・爪切り・耳掃除:3,000〜5,000円(1回)

〇 トリミングが必要な犬種は:5,000〜8,000円(1回/2か月ごと)
※5,000〜8,000円は、小型〜中型犬の一般的な価格帯
※大型犬や、毛玉が多い、特別なカットが必要な場合は1万円を超えることも珍しくありません。

柴犬のようにシャンプー中心の犬種なら数千円ですが、毛が伸びる犬種は年間で 3〜4万円 ほどかかります。


📦 日用品・消耗品(月2,000〜3,000円)

毎日の生活には、消耗品もたくさん必要です。

〇 トイレシーツ:月2,000〜3,000円
※ 特にシェルターなどの多頭飼育の場合は、この項目だけでも大きな負担になります。

〇 首輪・リード:年間数千円

〇 ケージやベッド:数千円〜2万円(消耗や買い替えあり)

1頭あたりで見ると、月2,000〜3,000円 はかかると考えられます。


💡 光熱費・施設維持(月2,000〜3,000円)

犬舎やシェルターでは、冷暖房や照明が欠かせません。犬舎の規模や頭数によって変動しますが、

〇 1頭あたりに換算すると、月2,000〜3,000円。

さらに、タオルや毛布を洗うための洗濯機・乾燥機、清掃のための洗剤や消毒液も、日々必要になります。


👥 人の手・活動費(算出困難だが不可欠)

犬を守るのは「もの」や「設備」だけではありません。

実際にお世話をするスタッフやボランティアさんの存在が欠かせません。

〇 スタッフの人件費(常勤1人あたり月十数万円)

〇 ボランティア交通費(1回数百円〜数千円)

〇 譲渡会の開催費用

〇 広報(チラシやHPの運営)

犬1頭あたりに換算するのは難しいけれど、「人の時間と力」にも確実にお金がかかっています。


まとめ

保護犬1頭を守るには、月1〜1.5万円、年間12〜18万円程度+医療・手術費 が必要です。

ごはんや医療だけでなく、トイレシーツや光熱費、人の手までも含めて、たくさんの支えが重なって初めて「犬が安心して生きられる環境」が成り立ちます。

だからこそ、小さな金額でも確かに命を守る力になります。
他のお店の寄附付き商品や、小多福堂の石鹸を選んでくださったことが、犬たちの未来につながっています。

そして同時に――
犬を迎えることは「かわいいから」ではなく、命に寄り添い、最後まで守り抜く覚悟があって初めてできることだと思います。

私自身もまだまだ勉強中で、知らないことや学び続けなければいけないことがたくさんあります。
でも、こうして現実を少しずつ知り、伝えていくことが「守る約束」につながるのだと信じています。